2013/04/20

冨嶽三十六景

竹笹堂の摺師・森愛鐘(あかね)が葛飾北斎の
冨嶽三十六景(神奈川県沖波裏)の制作を進めていたので、こちらでレポートします。

摺るときの基本姿勢はあぐら、見本を自分の前に置いて、
力の入れ具合や色の調合をその都度確認しながら作業を進めます。















 
前に置いている新聞紙の中には、湿度を調整してあるベストコンディションな
和紙がスタンバイされていて、そこから1枚ずつ取り出して摺ります。
これは2版目・黄色の版を摺り終えたところ。
この作品は8回(8色)摺って完成します!


藍色が入ると一気に作品が引き締まります。

浮世絵を摺るには和紙の繊維の奥にまで色を摺り混むので
かなり力強く摺り続けます。バレンの竹皮も破れるので、途中で新調します。



写真は竹皮の繊維を平らに伸ばして、使いやすい様に整えています。
道具のケアも職人技術のひとつです。

7版目・空の黒いグラデーションの版です。
版木の上でぼかしてから摺る難しい技です。

















完成です!

よくお客さんに「どうやって摺ってるの?」と聞かれるのですが、
少しご理解いただけたでしょうか。

まだまだ知りたい!という方は「浮世絵講座」も予約制で開催しております。
 
<浮世絵講座>
【内容】冨嶽三十六景の実演と解説(1時間)
【料金】6名様までの20,000円(税込・7名様からは40,000円)
【お問い合わせ】075‐353‐8585
 
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